ハリーポッターシリーズはイギリスの作家J・K・ローリングによるファンタジー小説シリーズで、多くの言語に翻訳され全世界での発売は5億部(2019年現在)を突破し、英語圏のみならず非英語圏でも多くの読者を獲得しました。
さらに映画化もされたことで老いも若きも夢中になり、この20年以上も世界のファンタジー映画ファンに夢や感動を与えてきました。
このブログでは原作の小説や映画で使用されている英語タイトルについて紹介したいと思います。
ハリーポッターシリーズは、その魔法的な世界観だけでなく、英語タイトルにも魅力が詰まっています。
ここでは、いくつかのハリーポッター作品の英語タイトルを解説し、その意味と魅力について探ってみましょう。
外国人との交流もこれから一層に増えてくると思いますから何かの役に立つのではないでしょうか。
シリーズタイトルの英語
ではさっそくシリーズタイトルの英語表現を見てみましょう。
ハリーポッターシリーズ英語タイトル(第1作~第3作)
日本語から英語、英語から日本語が比較的に予想しやすいです。
2001年の第1作 ハリーポッターと賢者の石(以下ハリーポッターは省略)はHarry Potter and the Philosopher’s Stoneです。
Philosopherは通常「哲学者」ですが日本語では「賢者」となっています。
哲学者は知恵のある人なので賢者の語が使われたようですが、アメリカ版の小説ではPhilosopherのかわりに「魔法使い」を意味するSorcererを使っています。
このタイトルには魔法の世界との出会いが込められています。
物語が始まると同時に、魔法の存在と冒険の幕が開かれます。
また、「賢者の石」という言葉は、古代の秘宝や不老不死の象徴として知られ、謎と魅力を持ちます。
このタイトルは、読者の興味を引きつけ、物語への期待感を高める役割を果たしています。
2002年 第2作 秘密の部屋はHarry Potter and the Chamber of Secretsです。
Chamberは(建物の)特別部屋で、roomよりはフォーマルな表現です。
タイトルは、ハリーがホグワーツ魔法学校内に存在する秘密の部屋に関わる冒険を描いています。
物語の中で、秘密の部屋が開かれ、魔法界に脅威をもたらす存在が現れます。
読者にとっては、秘密の部屋に関する謎解きや危険な展開に対する好奇心と興奮が高まります。
2004年の第3作 アズカバンの囚人はHarry Potter and the Prisoner of Azkabanです。
Prizon(刑務所)に収容されている人でPrisoner(囚人)が使われています。
タイトルは、ハリーが遭遇する新たな困難と脅威を示唆しています。
アズカバンは魔法界の最高警備の魔法刑務所であり、囚人が逃げ出すという事件が物語の中心になります。
このタイトルは読者に緊張感と興奮を与え、物語の転機に向けての期待を高めます。
ハリーポッターシリーズ英語タイトル(第4作~第6作)
日本語と英語の対応が少しむずかしく文化的な知識も必要なものです。
2005年の第4作 炎のゴブレットは Harry Potter and the Goblet of Fireです。
Goblet(ゴブレット)とは脚付きグラスでソフトドリンク、ビールなどを飲むのに使われます。
このタイトルは、ハリーがトーナメントと呼ばれる競技会に参加する様子を描いています。
ゴブレットはトーナメントの参加者を選ぶ際に重要な役割を果たします。
物語はハリーが予想外の困難に直面し、大きな試練を乗り越える様子を追います。
タイトルは、競技と冒険のスリリングな要素を読者に伝え、期待感と緊張感を高めてくれます。
2007年 第5作 不死鳥の騎士団は Harry Potter and the Order of Phoenixです。
orderとは「注文(する)、順序、秩序」の意味がよく使われますが、ここでは「騎士団」の意味です。
phoenixは「不死鳥」でアラビア砂漠に住み、500~600年ごとに自ら焼死し、灰の中から生き返るという霊鳥です。
このタイトルは、物語の中心に登場する秘密結社「不死鳥の騎士団」に焦点を当てています。
ハリーと仲間たちはこの騎士団に参加し、魔法界の闇勢力に立ち向かいます。
不死鳥は前述したように再生と希望の象徴であり、騎士団の存在は物語において重要な役割を果たします。
タイトルは、秘密結社とその戦いの魅力を読者に伝え、壮大な冒険への期待を予期させます。
2009年の 第6作 謎のプリンスは Harry Potter and the Half-Blood Princeです。
Half-Bloodは「混血の」を意味します、日本語では「謎の」となっているので違う訳し方です。
ハリーポッターでは魔法使いと人間の間に生まれた子供を意味しています。
このタイトルは、物語の中で登場する謎の人物「謎のプリンス」に関わるストーリーを示しています。
プリンスの正体や彼の過去、そして物語の進行における重要な役割が明らかになっていきます。
読者はハリーと一緒にプリンスの謎解きに挑み、物語の展開を楽しむことができます。
ハリーポッターシリーズ英語タイトル(第7作~第8作)
日本語から英語、英語から日本語の訳語が思い付きにくいものです。
2010年、2011年の 第7作および8作 死の秘宝は Harry Potter and the Deathly Hallowsです。
Deathlyは「死のような」、Hallowsはhallow(「神聖化する」)から神聖なもの、魔法の力を持つ秘宝を意味すると考えられます。
「死の秘宝」の訳は映画の内容から意訳したものですね。
このタイトルは、物語のクライマックスとなる秘宝の存在を示しています。
死の秘宝は不死や絶大な力をもたらすと言われており、ハリーと仲間たちはそれを追い求める旅に出ます。
このタイトルは読者に最終章への期待と興奮を抱かせ、物語の結末へと導いています。
以上、これらの英語タイトルは、どれも各作品の魅力や重要な要素をうまく表現しています。読者はタイトルを見るだけで、物語の興奮や謎解きの醍醐味を想像し、作品への関心を高めることでしょう。
ハリーポッターシリーズ英語タイトルのまとめ
シリーズのタイトルを見てみましたが、日本語タイトルと英語のタイトルを比べてみると、そのまま素直に納得できる場合と、映画の内容をじっくり鑑賞した後でなるほどと思える場合があることがわかりますね。
海外から来た人との会話でハリーポッターを話題にするとき、これらの英語表現を知っていればきっと相手から感心されるし、会話も必ずや弾むのではないでしょうか。
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